東京禅センター

vol.1 禅僧といっしょに、身体と呼吸と心を調えよう!

 

新型コロナウィルス禍で、東京禅センターの催事もすべて休止になってしまいました。

外出自粛が呼びかけられる中、少しずつ自宅で過ごす工夫をする方々が増えてきました。

その一方で、外に出たくてたまらなくなったり、イライラする人も多いと聞きます。

お釈迦様は人生すべてを「一切皆苦」と説かれました。「苦」とは思い通りにならないこと・現状に満足しないことを意味します。

自らの心に対峙して、見つめることで「知足(足るを知る)」を感じ、ありのままに現状を受け入れることが、人生を少しでも楽に生きる術だと臨済禅は説きます。

その修行法が坐禅や作務(一心に労働に取り組むこと)です。

是非、この機会に臨済禅に触れていただけたらと存じます。

 

□■坐禅に取り組んでみよう■□

せっかくの自宅で過ごす時間。15分でも静かに坐って、身体と呼吸と心を調えましょう。

ちなみに坐禅の時は、「整える」ではなく「調える」という漢字を用います。

身体と呼吸に心(意識)を留めることで、調和を図る意味が込められています。

 

<<<1、調身 身体を調えること >>>

きつすぎない衣服を着て、座布団やクッションなどにお尻を置き、脚を組みます。

脚が組めない方は、あぐらでも構いません。椅子でも結構です。

下半身が安定したら、腰骨を起こすことを意識して背筋を伸ばします。

顎を引いて、まぶたは半分だけ開きます。

手は印を結びます。手の平を上にして、右手の上に左手を重ね、両手の親指を軽くつけます。
組んだ手は下腹部につけます。宙に浮かす必要はありません。


<<<2、調息 呼吸を調えること >>>

ゆっくりと息を吐いていきます。吐き切ったら、ゆっくりと息を吸います。

はじめは普段の呼吸に意識を置く程度、次第に深く細い呼吸になるように心がけていきます。


<<<3、調心 心を調えること >>>

いのちを保つために不可欠な呼吸ですが、普段は呼吸に意識することはありません。

呼吸に一心に取り組むことで、余計な思い煩いを忘れることができます。

「心を無にする」ことは難しいですが、あちらこちらに勝手に飛んでいく意識を、身体と呼吸に集めていくようにイメージしてみましょう。

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