妙心寺について

宗議会宣言文

 日本は、今年終戦70年を迎えたが、広島・長崎での被爆者平均年齢が初めて80歳を超えるに到り、戦争の真実と悲惨な記憶は、風化の一途を辿るばかりである。
 さきの大戦で犠牲になられた国内外の多くの方々に、心より追悼の意を表するとともに、二度と同じ過ちを繰り返してはならないという非戦の誓いを、強く肝に銘ずるべきである。
 かつて戦争への舵を切り続けてきた日本国は、結果的に、国内のみならず近隣諸国に多大なご迷惑をおかけし、我が宗門も戦争に協力してきた事実を決して忘れてはならず、その反省の上に妙心寺派教団・宗議会も懺悔文を表明した。
 しかし、世界の情勢を鑑みるに、武力により国際紛争を解決しようという傾向が見られる昨今、宗門関係者は、平和国家としての歩みを守り、同じ過ちを犯すことのないよう、戦争は人間の尊い生命と尊厳を不条理に奪う最大の人権侵害行為であることを、社会に訴え続けなければならない。
 現在、東日本大震災福島原発事故により、「原発は原子力爆弾とは異なり、安全で平和のために役立つ」という神話がもろくも崩れ、原発も人権侵害を引き起こす施設であることが内外に露呈した。然しながら、原発事故による多くの被災者が、未だ帰宅できずにいる現状を忘れたかのごとく、原発再稼働に踏み切ったことは、大変遺憾である。
 宗議会としては、4年前に「原子力発電に依存しない社会の実現」宣言を表明したが、それをさらに推し進め、一般家庭の電力の自由化の際には、少しでも生命を守ることに結びつく電力源の選択を願うものである。
 未来の子ども達のためにも、世界の人々と手を携えて、脱原発と戦争のない平和な社会の実現を、目指していくことを宣言する。

                                                              2015(平成27)年9月17日
                                                               第一二九次定期宗議会
                                                               臨済宗妙心寺派宗議会