体験

令和5年度「1分で読める やさしい御詠歌解説」

~読めば花園流御詠歌をほんの少し理解できる、御詠歌のことがもっと好きになる、御詠歌への入口となるような気軽に読める無相教会準師範の先生による簡単解説です~


「宗門安心章御和讃」

後藤千衣美

 宗門安心章御和讃は『宗門安心章』に説かれている教えを要約したものです。その教えとは、心静かにいつも自分を見つめ、何を信じて、何を戒めながら生きていかねばならないか、そして一日一日をしっかりと生きることがいただいた御恩に応えることであると説いた御和讃です。

 御和讃・御詠歌すべてに言えることですが、お経などとはまた異なり、やさしい言葉(教え)を旋律にのせて唱えるため、無理なく自然と覚えることができ、とても心地よい気持ちになれます。

 


「生活信条御和讃」

安藤宗明

 妙心寺派檀信徒の生活の指針を示した「生活信条」をそのまま御詠歌にしたものです。お釈迦さまの説かれた「一切皆苦」の世界に生きる私たちは、日々どのように過ごしていけば良いのでしょうか。苦しみにとらわれている自分に気づくため、静かに坐り息を調え、自他共に隔てなく、いのちのありがたさに気づき、感謝しながら思いやりの心で過ごしましょう。大いなる恵みの中に生かされる喜びを感じ、拝んでいきましょう。

 この御詠歌をお唱えして、学び実践して参りましょう。

 


「三宝恭敬御和讃」

惠良 真由美

 人は誰しも幸福を求めています。自分にとっていい日でもよくない日でも人生に意味あるものと、精一杯生きていく毎日の積み重ねこそ好日なのではないかと思います。
 三宝とは仏、法、僧を意味します。仏とは人生の師、法とは人生の教え、僧とは人生の友、同心同行の衆。私たちはそれぞれとの出会いに気づくことが大切です。
 この三つの宝を心の糧とし悦びを感じながらお唱え頂きたい一曲です。何に対しても執着せず、ありのままに受け容れていきたいものです。

 


「妙心寺開山忌御和讃」

門脇厚子

 無相大師は、花園の地に妙心寺をお開きになりました。以来六百六十余年の今日に至るまで“報恩謝徳”の思いは絶えることはありません。
 無相大師のご入寂の日には本山において毎年欠かすことなく妙心寺山内のご住職が総出頭して開山さま(無相大師)の法要が厳修されています。
 御和讃、御詠歌ともに敬い慎む気持ちを込めるように声を出し、特に「心の花の園に栄えん」の部分は、お釈迦さま、無相大師を尊びながら、テンポはゆっくり唱えましょう。
 さあ、ありがたい法灯の下、開山さまを尊びながら誇らしく、声高に唱えましょう。


「妙心寺開山無相大師伊深の御和讃・御詠歌」

今井千尋

開山様が、今にも目の前にお出ましになるような荘厳な御詠歌です。歌い方の難しい点は、御詠歌になってから。詩の一文字ずつを、一小節全部を使って詠じます。初めて聞くと、音としては聞こえても、詠じている内容までは分からないことが多いです。

この曲を詠ずる前に、ゆっくり朗読すると、内容が理解できるのは思います。その後、ゆっくりと詠じれば、この歌の全体的なイメージがわいてくるでしょう。

そうすれば、開山様の生きてきたご様子等を、目に浮かべて頂けるのでは無いかと願っています。


「追善御和讃・御詠歌」

鈴木明美

 追善御和讃は、通夜・葬儀・年忌法要等でよくお唱えされる御詠歌です。追善とは、先亡の精霊に対して供養仏事を行うことを言います。この御詠歌をお唱えしますと、亡き人の面影が自然と浮かんでまいります。この世は無常ですが、せめて死後の旅路が安らかでありますように、どうか仏さまのともしびでみたまを照らしてくださいと願いながらお唱えしたいものです。お唱えしているうちに、鉦の音や鈴の音が自然に心にしみわたり、だんだんと心が静まってきます。生死そのままが安楽の世界であるとお釈迦さまはお示しくださいました。迷いの世界を越えて生きようと誓うことこそが、最高の供養となることでしょう。

【9月15日更新】

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