体験

令和3年度「御詠歌のここ」

~無相教会準師範の先生に御詠歌を奉詠する際のワンポイントを解説いただきました~

「無相教会御和讃」

惠良 真由美

 

 最初の「日」は「あや」で優しく、「つき」で「ゆり」を3回入れ明るく始めましょう。

 

 拍の長短にも気を使いゆっくりと丁寧にお唱えし無相教会の一層の発展を願い、一読平易な文章ですが、その中に隠された禅心を読み取っていただくことが肝要です。身心身浄に奉詠することが大切です。

 


 

「宗門安心章御和讃・御詠歌」

醍醐 千草

 

 詠題や歌い始めの音は、4段目の1小節目がかすれないよう意識して高く出す。あやとなえしを丁寧にお唱えすると良い。どちらも音を下から押し上げる唱え方。あやは始めの音(子音)を出したら、うみじ(母音)を発する時に上の音になり、声を張る。なえしは上がりきるまでにいくつかの音をはさみ味わいを出すとおごそかな和讃になる。

 


「生活信条御和讃・御詠歌」

畠中 八代江

 拍の最後を特に注意します。

 「世にあれば」の(にィーイ)の所を4分の3のばし、なえして8分の1拍上げる。「いちどは」(いィーちィどォワァ)のイの所は素直に8分の1拍上げる。この違いを注意する。

「たしかに」「つきず」のはり、「おおいなる」(おーオオ)のころび、「ただーただ」の強弱をつける。

生かされている自分に感謝してお唱えください。

 


 

「妙心寺開山忌御和讃・御詠歌」

吉田 拙堂

 最初のことば、「き」はソの音階ですので、「御和讃にー」の「に」と同じ音階となるように先ずはご注意ください。「はなぞのに」の「な」の小めり、「ぞ」のなえしの節回しも強調したいところです。御詠歌の「わしのみね」は膝打ちで拍をしっかり意識し、「の」のラソラソのラ黒点♭音階をマスターしましょう。「こころのはな」からは明るく晴れやかに。

 


「妙心寺開山無相大師伊深の御和讃・御詠歌」

東海 裕子

 和讃の「帰」はしっかりと出し、2拍目の「イ」は優しく出します。詠歌に移る時に鈴を置きます。「みちの…」3拍目に撞木を膝の横に立てます。「伊ぶかに…」「みやまの…」は同じ節です。1拍の中の長短に気をつけてお唱えしましょう。和讃・詠歌ともに難しい曲なので、楽譜集をよく見てくり返し練習をすることが大切です。

 


 

「観音御和讃」

今城 松枝

ソで始まる「帰命」の4拍目に上がると観音御和讃の詠頭に。4拍目に下がると水子地蔵御和讃の詠頭になります。この違いを意識すると混同することはありません。

「頂らい・じゅうだい」のめり・はりの部分は柔らかく丁寧に。クライマックスへの装飾音、半音部分は大切に、強弱をつけ観音様の慈悲深いお姿を心に描きつつお唱えください。

 


「達磨大師御和讃・御詠歌」

都竹 隆雄

 和讃「恭敬礼讃」の「く」の音はファです。詠題の「唱え」の「と」の音をイメージすると出やすくなります。同じく和讃「円覚(えんかく)」の「か」は柔らかくお唱えしましょう。

 御詠歌「三毒(さんどく)に」の「ど」は「どおお~」と、「面壁(めんぺき)の」の「ん」は張り、「きの~」は「きいいいの~」と丁寧にお唱えしましょう。

 楽譜集をしっかりと見て、何度も反復練習を繰り返し、自分のものにしてください。

 


 

「彼岸会御和讃・御詠歌」

勝野 正子

 彼岸とは、かたよらない、こだわらない、とらわれない、安心の世界。

 1、2番の歌詞を素直に読み込んでみましょう。いま命あるのは、ご先祖さまのおかげ。今の生活を振り返り、お彼岸を安心立命の願行週間とし仏道実践してみましょう。例えば、強く投げかけられた言葉に柔らかく答える。これだけでも火花は小さくなりますね。どんな苦悩があろうともお互いにご詠歌をお唱えし、一筋の光明を信じて行きましょう。

 


「釈迦如来成道御和讃・御詠歌」

正山 照子

 お釈迦さまが大悟された状況を思いながら、静かに心を込めてお唱えしましょう。

 和讃4段目低音「ひ」は、胸を緩めると声が出しやすくなります。言葉が不明瞭にならない様に「Hi」を意識して、発音してください。「さざなみ」が2種類あります。違いに注意しましょう。3連符・ハリなどの細かなリズムは、正確に丁寧にお唱えください。

 


 

「釈迦如来涅槃御和讃・御詠歌」

安藤 宗明

 黒丸のラからドまで上げる「あや」を大切にすることでこの曲の雰囲気ができます。その後に続く「ゆれ、しおり、なえし」などを工夫していくことが大切です。「くしなの」の「の」や「かすい」の「い」など半パク伸ばしてから下げる音は、半パクの音を十分にふくらますことが大事です。撞木の動きに気を取られないように十分なお稽古をしてください。

 


「正法山妙心寺第一番の御詠歌」

吉田 みちる

 釈迦如来御誕生御詠歌と同じですが、釈迦如来御誕生は華やかに。この曲は敬虔に(うやまいつつしむ気持ち)と書いてありますので、この違いを意識してお唱えください。初めから優しくお唱えすると良いと思います。

タイが多い為、拍をしっかり刻んで練習しましょう。

 


 

「宗祖臨済禅師御和讃・御詠歌」

惠良 真由美

 讃題は五線譜にしたがって、会員ぜんいんで唱えます。「黄ばく」は力強く始め、「会下に」のラの・点アアを正確に発声します。これまでにない前詠、音階でこの曲の特徴と言えます。歌詞の言わんとする事を納得できるまで何回も読み返し、臨済禅師の教えを悟り「平常無事」な「日々好日」への道を歩めるようお唱えしたいものです。

 


「延命地蔵御和讃・御詠歌」

醍醐 千草

 鈴鉦の扱いが独特なので、膝打ちで拍を取りながら正確にお唱えできるまでは鈴鉦を持たない方が良い。和讃では1拍の前半は直音、後半は細かい節又は半拍で音が変わる節が多い。この時、前拍が短くなりがちなので膝打ちの時に意識的に1拍を半分に切って練習すると良い。詠歌は大慈節で唱え易いが始めの音が和讃の最後の音につられ易いので注意する。

 


 

「妙心寺開創御和讃・御詠歌」

畠中 八代江

 高低差のある曲なので、拍を取って音を正確に唱えます。始まりの「帰命」は詠題の最後のソの音より1音上げラの音から3音しっかり上げる。「はなぞの」はハッキリ「なしたもう」の「う」は「オ」で唱える。

 2拍目の所のオをあやで上がり4分の1拍上がったオをハッキリ唱えると、歌いやすい。

報恩謝徳と興隆仏法の大切さを説いた曲なので心をこめてお唱えください。

 


「妙心寺中興開山日峰禅師御和讃・御詠歌」

吉田 拙堂

 最初の行の「せんらんの」の「の」をしっかりと、あやで優雅に上がり、二拍目のころびを強調して唱えると頭が映えます。全体に「二個ゆり」が多くありますので、はっきりとゆれるようにお稽古しましょう。御詠歌の「いまさかりなり」は法悦歓喜の境涯で、日峰禅師に報恩の真(まこと)を捧げましょう。最後の「はなぞののてら」はどっしりお唱えすると落ち着きがいいと思います。

 


 

「妙心寺二世微妙大師御和讃・御詠歌」

津田 玲子

 この曲は節が大変美しく微妙大師様の御徳が感じられる曲だと思います。その有難さを最初の「帰命頂礼」で表現しましょう。全体に「しおり」が多く、柔らかい曲想です。

音が上がる時は前の音を引きずらないようにします。装飾音も弱くならないように気をつけます。聴いてくださる方が手を合わせてくださるようなお唱えがしたいものです。

 


「妙心寺二世微妙大師第三番の御和讃」

東海 裕子

 「灯―かん」は、お腹からしっかりと声を出し、口を開けて重々しく丁寧にお唱えします。「ゆかーし」の「か」、「あーか」の「-」大きなめりは井戸の底のように深く、「みおーしー」の「し」、「謝とー」の「とー」のはりはあわてず丁寧にお唱えしましょう。拍の長短は楽譜集をよく見て反復練習をしっかりして、自分のものにしてください。

 


 

「水子地蔵御和讃・御詠歌」

今城 松枝

こんなにもはかなさ、寂しさ、心もとなさを的確に表現している曲を私は知りません。

 はり・ひびき・押しの音等ふんだんに取り入れ難しい曲ですが、その分味わい深い一曲です。詠歌の「み手にひかれて」のファ~ソへのあや、ド~ソに上がる音階は花園流ならではの表現により水子さんの曲想をみごとに表しています。後は貴方自身の心を味付けにお唱えください。

 


「正法山妙心寺第二番の御詠歌」

都竹 隆雄

 この御詠歌は大きく前半、後半に分かれるかと思います。特に後半は一小節一文字です。間延びしないように丁寧にお唱えしてください。

 最初の「かしこくも」の「か」は詠題の最後の「に」から半音上がるような気持ちで始め、「妙心寺」の「妙(お)」は柔らかく、「松にも」の「も」、「南無」の「う」は曲線的に上げ下げしましょう。「観世音」の「ん」は口を閉じて発声しましょう。

 道具の扱いもしっかりと練習してください。

 


 

「花園太上法皇第四番の御詠歌」

勝野 正子

 花園法皇さまは乱世の中11歳という若さで天皇に即位されました。

 13歳からの23年間を綴られた”花園院御宸記”にはこのお歌に代表されますように「人々を少しでも幸せにしたい」という願い、そして「人間とは」と日々自己に鞭打つ求道修行の様子が記されています。

時代は変わりましても苦悩はつきもの、報恩謝徳、興隆仏法を願いとし日々詠歌の道に励みましょう。

 


「花園太上法皇第二番の御詠歌」

正山 照子

 詠題、詠歌とも頬骨を上げて、明るい声でお唱えしましょう。1段目の装飾音、2段目の切って切らずは、正確にお唱えください。3段目の高音は、丹田を締め喉の力を抜いて、腹から息を送る感じで声を出しましょう。

 「吹く」の2つのしおりを工夫し、短い休符後の「風」の「か」の発音と「声にぞ」の言葉を丁寧にお唱えしましょう。

 


 

「花園太上法皇第一番の御詠歌」

安藤 宗明

 詠題の後ミの音から始まるこの曲は、注意をしないと本数が下がりやすいので正しい高さでしっかりと「くも」と入ってください。「ふ」ははっきりと発音しないと「う」と聞こえてしまいます。「うきよ」と歌う時には一番高い「わ」の音を狙っていくと良いでしょう。3拍5拍など鈴鉦にも注意が必要です。最後の切って切らずも工夫してください。

 


「目連尊者御和讃」

吉田 みちる

 1段目1小節目の「ほ」はしみじみと半拍伸ばして下さい。4段目3小節目の「もや」は声を4分の3伸ばしてから響いておとして止める。響きと切って切らずが一緒に入るので難しい所です。あせらずゆっくりと練習しましょう。

「声聞けば」と「闇深く」は陰、陽が違うので注意してお唱えしてください。

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