禅の小窓

禅の小窓

妙心寺派ホームページ企画委員会 企画

本委員会のメンバーであり、妙心寺派布教師がお届けする仏教や禅の教えを身近に感じてもらう為のコンテンツです。

 


ラジオ動画「お坊さんに聞いてみよう。」

 

妙心寺派の僧侶が、皆様から寄せられた質問にお答えします!

普段、ちょっとお坊さんに聞いてみたいけど、聞けないことってありませんか?

当企画は、そんな皆様の何気ない疑問にお答えしていくものです。

この企画を通して、仏教や禅の教えをより身近に感じてもらいたいと思います。

質問につきましては、妙心寺派公式SNSアカウントにて、「#お坊さんに聞いてみよう」を付けて募集しています。また、妙心寺派公式SNSアカウントの投稿コメント欄でも募集しています。どうぞお気軽に質問をお寄せください。

《質問はこちらのリンクから》

 

 

過去の動画はこちらから

 

第2回「お坊さんに聞いてみよう」

 

第1回「お坊さんに聞いてみよう」

 


「とはずがたり」 ~和尚さんの独り言~

暮らしの中にある、ちょっとしたお坊さんの気付きの一口話。

禅の教えでは、日常の生活や自然の営みの中に、心豊かに生きるヒントを学びとることを大切にします。

その学びの「気付き」が、心を軽くして、幸せはいつだってここにあるって教えてくれるのが禅の妙味です。

そんなお坊さんの気付きにちょっと触れてみませんか?

 

とはずがたり[問わず語り]・・・人が尋ねないのに、自分から語り出すこと。

【第4回】

「書から学んだ人生訓」

 

私は、小さな頃から書道を習っています。いつも探究するのは「よい書とは、どういうものか?」ということ。

私の先生は「作品の中に『揺らぎ』と『かすれ』とが適度に含まれていることが、よい書の条件」と教えてくれました。

幼い頃、「線はまっすぐ引くのがよい。そしてかすれが出ないよう、墨たっぷりで書くのがよい」と思っていました。揺らぎやかすれは悪いことだ、と。しかし、大人になって書を作品に仕上げようとすると、事情が変わります。

単にまっすぐ引いた線は変化がなく面白みに欠けます。適度に揺らぎがあることで線に情緒がでるのです。そして、かすれが程よくあることで作品に立体感が出ます。墨が沢山入っているところは近く、逆にかすれている部分は遠く見えるからです。

いわゆる「キレイな字」を書くときには、線をまっすぐ引き、読みやすくするためかすれを避けることは大切です。しかし、書の目的は文字を読めるようにすることだけではありません。自身の心模様を、白と黒とのコントラストのみを用いて表現する、単純ながら奥深い芸術なのです。

思うに、揺らぎやかすれが大切であるという話は、書に限らず私たちの人生にも当てはまるのではないでしょうか。

日々を暮らしていると、私たちは大なり小なり精神が揺らぎ、心がかすれるような場面に出くわすことがあります。私も、骨折して日常生活がままならなくなった時や第一志望の大学に落ちた時、大切な人を病気で亡くした時などは大きく心が揺らいでかすれて、やりきれない思いにかられました。しかし、書道を通じて「そうした経験は、他者の痛みを知り周囲を慮る心を養うために私にとって必要なことだったのではないか」と思うようになりました。

私たちの日々は、キレイごとだけでは済まされないことが多くあります。しかしそうした心の揺らぎ・かすれを経るからこそ、お互いの人生が情緒と立体感のある「作品」として昇華されてゆくのだと、私は信じています。

野田晋明

 

ページの先頭へ