法話の窓

074 みんなちがって みんないい

 最近、いじめによる子供の自殺が増えています。尊いいのちが失われることに心が痛みます。おもいやりの心で友達と仲良くしなければなりません。

 昨年、第43回小学校児童作文コンクールにおいて、小学校2年の阿部未来(あべみく)さんの「みんなちがってみんないい」が、大分県知事賞を受賞しました。(途中省略)

 私は、3歳のころからまゆ毛もかみの毛もありません。免疫しっかんによる脱毛症というびょうきだそうです。わたしは「どうしてみんなとちがうのかな。なぜみんなはかみの毛があるのかな」と、思いました。

 わたしの弟が、友だちから「しょうごのお姉ちゃん、かつらなんでかぶっているの」と言われたそうです。しょうごが答えなかったら、その子は「わかった。毛がないんや」と、言ったそうです。しょうごは「なにもしらんくせに、そんなこと言うな」と、言ったそうです。お母さんからそのことを聞いて、わたしはショックだったけど、弟がそう言ってくれたことがとてもうれしかったです。

 この間、きゅう食のときに、クラスの友だちから「毛なし」と言われました。その時友だちが「そんなことを言ったらいけないよ」とかばうように言ってくれました。いやなことを言われたのはかなしかったけど、友だちがかばってくれたことがうれしかったです。

 こんなことがあったあと、クラスのみんなで話し合いました。ななこちゃんが「バンダナをかぶっていても、みくちゃんはみくちゃんだ」と言ってくれました。あみちゃんは「ほいくえんのときから、やさしくしてくれたからうれしい」と、言ってくれたことが、うれしかったです。

 先生が「みんなちがってみんないい」という童謡詩人金子みすずの詩のお話をしてくれました。クラスのみんなでどんなことかなと考えてみました。

 わたしは「みんなちがってみんないい、自分は自分だ」と思いました。手や足がなくても、人とおなじじゃなくてもいいということです。「なぜ、かみの毛がないの」と言われてもわかりません。なりたくてなったわけではないからです。かみの毛がなくてもわたしはわたしなのです。

 また、もしも、ほかの人が、気にしていることを言われたりされたりしているのを見たら、わたしもたすけてあげようと思います。「そんなことやめて。人はそれぞれちがっていいんだよ」と。

森 哲外

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