法話の窓

002 申年(さるどし)  みんな違ってみんないい

来年は申(さる)年、それにちなんでサルのお話をしましょう。

テレビで、ニホンザルの群れである実験をしているのを見ました。人間世界をほうふつさせてとても興味深かったので紹介します。

サルの頭だけがようやく入るくらいの太さの透明な筒があります。

長さが2メートル足らず、両端のあいている所から、サルが手を伸ばしても中央までは決して届きません。サルの群れの真中に、その筒を(針金か何かで)固定しその筒の中央にサルの大好物のリンゴを置きます。

リンゴが食べたくて仕方がないサルは、透明な筒ですから、目の前にりんごが見えるのにそれを手に入れることができません。

しばらく歯をむき出したりして怒っていましたが、やがてあきらめて離れてゆきました。

その様子をじっと見ていた1頭のサルがかわりにやってきました。そのサルはなんと一本の木の棒(枝)を、さっきのサルに見られないように隠し持っています。

そのサルはリンゴの筒のそばにやってくると、棒を筒に突っ込んでその先をリンゴに引っ掛けて手元に引き寄せました。そして目にもとまらぬ早業であっという間にリンゴを手にいれました。

その様子を見ていたほかの1頭のサルが自分のそばに木の枝が落ちていないかどうか探し、その枝を持ってきて、リンゴが入れられた筒のところにやってきました。

しかし今度のサルは、棒を使うものの さっきのサルのようにうまくリンゴを取ることができせん。

棒を押したり引いたりしながらやっとのことでリンゴを手に入れることができました。

また他のサルは棒ではなくて、こぶし大の石ころを拾ってきて、ボウリングの要領でリンゴを取り出しました。

リンゴが欲しくてもあきらめてしまうサル、棒でうまくリンゴを取るサル、あまりうまく取れないサル、また他の方法でリンゴを取るサル。いろんなサルがいるものだと感心しました。

『みんな違ってみんないい(金子みすずさんの詩から)』の世界ですね。

豊岳 澄明

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