法話の窓

088 いただきます ごちそうさま

 みなさんの好きな食べ物はなんですか?
 カレー? ハンバーグ? 卵焼き? 夏だったらキャンプや庭でのバーベキューもおいしいですね。
 おやさいもたべていますか? キャベツやレタス、ピーマン・ニンジンもおいしいし、からだにとっても、とても大切な食べものですから、しっかりたべてくださいね。

 今、わたしたちの住む日本では、食べものがたくさんあって、八百屋さんやスーパーで、買うことができます。また、ファミリーレストランも町のあちらこちらにあり、なんでも食べたいものを食べることができますね。
 でも、世界に目を向けてみると、8億人の人たちが食べものがなくて困られ、2万4千人の人たちが毎日、飢えて亡くなられているといわれています。
 食べものがあるという、私たちにはあたりまえのできごとが、ほんとうはあたりまえのことではなかった。とてもありがたいことなのですね。
「ありがたい」は、「有り難い」と書き、あたりまえではありえないことで、心から感謝したいという気持ちです。

 みなさんは食事をするとき、なんて言いますか?そう、「いただきます」「ごちそうさま」ですね。「いただきます」「ごちそうさま」は、だれにいうことばでしょう。
 つくってくれたおかあさんに感謝することば? そうですね。でも、おかあさんだけではないですね。
 ん? なになに? 大切に育ててくれた農家の人や、大事に運んでくれた人、見やすく並べて売ってくれたお店の人への感謝の気持ち? そうですね。
 でも、もうひとつあります。わかりますか?そうです。お野菜やウシやブタ、ニワトリたちへの感謝の気持ちです。

 私たちは、その大切な「命」を食べ物としていただいて、自分の「命」を支えてもらっているのですね。その「いただいた命」のおかげで元気でいられます。
 ゴハンつぶひとつぶだって、もったいない大切な「命」ですね。その大切な「命」をいただいて元気で暮らしているみなさん。あなたの「命」こそ、大切な「命」です。
 だって、いろいろな人や、いろいろな食べものの「命」に支えられている大切な「命」ですもの。それはみなさんだけではなく、みなさんのおとうさんもおかあさんも、おにいちゃんもおとうとも、そしておともだちも同じですね。みんなみんな、大切な「命」そのものです。

「いただきます」「ごちそうさま」
さぁ、手をあわせて、大きな声でいってみましょう。
もっと、ごちそうがおいしくなりますよ。

長谷乾伸

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