法話の窓

057 いのちのまつり

 食事をいただく時に「いただきます。」おなか一杯になったら「ごちそうさま。」といってますか?「いただきます。」とは、たとえば、ハンバーグを考えてみましょう。

 ハンバーグを作るのには、牛肉、豚肉、玉子、玉ねぎ、パン粉、牛乳、調味料が必要です。この食材すべていのちあるものでしょう。そのいのちをちょうだいしているから「いただきます。」なんです。

 「ごちそうさま。」とは、誰が牛や豚を育てましたか。誰が野菜を作りましたか。あなたの目前にあるおいしいハンバーグを作るためにどれだけの多くの方々の力があったでしょう。それをいただいておなか一杯になったのですから、その食材を育て集め料理された方々に感謝の意味で「ごちそうさま。」なんです。

 私たちの口にするすべての食材は、いのちあるものです。他のいのちをいただくことによって私たちは、生きていくことができるのです。

 

 ところで、この私たちのいのちはどこから生まれてきたのでしょう。

「ぼうやにいのちをくれた人は誰ね~?」
「それは......お父さんとお母さん?」
「そうだねえ。いのちをくれた人をご先祖さまと言うんだよ」
「ねえ、おばあさん、ぼくのご先祖さまって何人いるの?」
 こうちゃんは、指をおって数えてみることにしました。すると......

 これは、※『いのちのまつり』という絵本のなはしの一部です。

「ぼくにいのちをくれた人、2人」
「お父さんとお母さんにいのちをくれた人、4人」
「おじいちゃんとおばあちゃんにいのちくれた人、8人」......

 このように、倍になってご先祖はふえていきます。この絵本は、折り込みになっていて広げますと、顔、顔、顔が一杯描いてあります。そして、中央に"いのち"とあります。

 

 私たちのいのちは絵のように、かぞえきれない人たちからいただいたもので、それこそ宇宙のはじまりから続いているのです。その誰ひとり欠けてもだめなんです。そんなすばらしいいのちなんです。

 生きていくためには、他のいのちをいただきます。他のいのちだって、私達と変わらないすばらしいいのちなんです。だったら、かならず感謝の気持ちを忘れずに「いただきます。」「ごちそうさま。」といいましょう。

 

 ※いのちのまつり(ヌチヌグスージ)  作・草場一壽  絵・平安座資尚  サンマーク出版

小川太喜

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