法話の窓

051 大切な時間

 待ち遠しかったクリスマスとお正月。それも束の間、あっという間に終わり、そして冬休みも終わって3学期へ。授業が始まったら長い長い...(これは私の実体験です)。

 時間って不思議ですね。同じ時間なのに、楽しい時は短くて、つまんない時は長くて・・・。

 そのような思いを「一刻千金」「一刻千秋」と言います。一刻っていうのは単位にすると三十分ですが、今では「わずかな時間」として考えられています。

 つまり「一刻千金」とはわずかな時間が千金にもあたるということから、楽しい時や大切な時が足早に過ぎ去ってしまうのを惜しむことをいいます。その反面「一刻千秋」とはわずかな時間が千回、秋が巡る(千年)ということで非常に長く感じられるというのです。 1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒。どうやったってこの時間は短くならないし、長くもならないのに、私たちの心の状態が短くしたり長くしたりするのでしょう。

 カミキリ虫は1秒間に150回、とんぼは200回も羽を動かして空を飛びます。もし、それぞれ半分の回数だったら、トンボやカミキリ虫は大空を飛ぶことができません。もしも人が1秒間に手を200回もバタバタしたら空を飛ぶことができるかも...。でもそれは不可能なことでしょう。

 私たちは、虫達のマネはできなくても学ぶことはあります。あっという間の1秒の間にカミキリ虫やトンボが、一生懸命に羽を動かしている姿、その1秒たりとも無駄にしない姿を。

 メジャーリーガーのイチロー選手に打率四割を打つにはどうしたら良いかと尋ねたら、「バッターボックスから一塁ベースがあと10センチ近かったら...でもルールでベースは近くならないから10センチ早く私たちが一塁ベースにたどり着けばいい」と答えてました。10センチを秒数に換算すれば0,02秒です。つまりイチロー選手は、いかに0.02秒を無駄にせず使い切るかを、常に考えて努力しているのです。だからこそ、世界という大空をトンボやかみきり虫のように飛び回れるのです。

 

 「一刻千金」(四字熟語です、覚えてね。)

 

 私たちもまた、いつ何時でも大切な時として有意義に、そして惜しみながら時間を使い切る気持ちがあるならば...春(休み)はすぐそこです。

多田曹渓

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