法話の窓

045 MOTTAINAI(もったいない)

「ごちそうさま」
 子どもたちのお茶碗を見るとご飯粒が二つ三つ残っています。「最後の一粒までもったいないからしっかり頂きなさい」

 

 そういえば最近では「MOTTAINAI(もったいない)」という言葉が見直されているのは知っているかな。この言葉を改めて教えてくれたのはノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリーマータイさんという外国の人なんです。日本の人たちの多くがこの言葉とその思いを忘れてしまいそうになっていたとき、日本にはこんな素敵な言葉があるってことを思い出させてくれました。

 もったいないという言葉のもつ意味はそのものの持つ機能や価値、そして、その中にこめられた思いを無駄にしてしまうことを悔やむ言葉なんだ。

 例えば一粒のお米ができるまでには3月の種まきに始まり、土を耕し、5月に田植え。水の心配、台風の心配、6ヶ月の月日と30以上の手間をかけ、大自然に祈りながら収穫を迎える。やっとの思いで手元に届いたお米はさらに手を加えられて私たちの目の前に運ばれてきます。それを考えたら一粒のお米でも無駄にできないよね。

 あるときテレビを見ていたら、食べ物を頂くことはただ口の中に放り込めばいいというものじゃない。五つの感覚で味わうということが大事だと言われました。

 目で色や形を。鼻でその香りを。触れたり、口にすることで。もちろんその味を確かめ、そして最後に耳。でも、一体何を聴くのかな?

 聴くのは耳だけじゃないんだなぁ。私たちは動物や魚、お米や野菜などのいのちを頂く事で身体が成長し、遊んだり勉強したり、生きていられるよね。私たちがいただくいのちの声を、一生懸命にお世話をしてまた、食事を作ってくだった方の思いをこころで聴き、すべて無駄にしないように心がけ、一粒の米でさえ残すことなくいただくようにしたいね。

 

 「もったいない」って素敵な合い言葉。

羽賀浩規

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