法話の窓

041 僕が修学旅行に行けた理由(わけ)

いつものように青空が広がる昼休みの校庭。

 ジャングルジムで鬼ごっこをしていた小学五年生の僕は、鬼に追いかけられ、あわててジャングルジムのてっぺんから飛び降りたんだ。下に人がいたのは運が悪かった。よけようとして体勢を崩し無理な形で地面に落ちた。まあ、痛いのなんのって、あれから二十年以上たったけど、あんなに痛い思いしたのはあれ以来ないね、ホント(ToT)。

 何たって、地面に落ちた瞬間、足の骨がポキッて鳴ったんだよ。友達が集まってきて、最初は僕の何時ものジョーダンだと思ったみたいだったけど、涙を洪水のように流しながら痛さのあまり、地面を掘っている僕を見て、みんなただごとじゃないって気付いたみたい。先生が来てくれて僕は病院に運ばれたんだ。診察の結果、左足複雑骨折全治三か月。

 その日から楽しい楽しい入院生活が始まった(^_^)v。普段観られない深夜のテレビ番組。おじいちゃんがお見舞いに持って来てくれる丸々一個のメロン。友達からのマンガの本。足が痛いことと不自由なことを除けば、楽しいの一言につきる生活。こんな生活がいつまでも続けばいいのにって思ったのもつかの間(-"-;)。

 何がこの幸せを邪魔したんだと思う* ̄O ̄)ノ?

 学校を休めるのが、あんなにうれしかったのに、学校へ行きたくてしょうがなくなったんだ。みんなと飛び回って遊びたい。いたずらしたい。たまには教室で勉強もいいもんだってねo(^ヮ^)o。そうなってくると、ベットの上は漂流した無人島みたいなもの。人間て勝ってだよね。それまでは、ベットの上を魔法のジュウタンみたいに思っていたのにね。それからは、一日が長いこと長いこと。

 そんな時、思ってもいないことが・・・。入院中に六年生になっていた僕も修学旅行に行けることに。何で入院中の僕が修学旅行に行けるようになったのかって?。僕の知らないうちに、僕のクラスではクラス全員で修学旅行に行こうと話し合いが開かれたんだって。それで、みんなで協力して僕を修学旅行に連れて行ってくれることになったんだ。担任の先生は校長先生に掛け合って、許可をもらってくれたんだって。その話しを病室で聞いた僕は、骨折した時と同じくらい泣いちゃった(> <)。

 こうして、修学旅行をあきらめていた僕は、みんなの優しさのおかげで京都・奈良に行くことができた(^_^)v。もちろん松葉杖をついて、みんなにカバンを持ってもらったり、席をゆずってもらったりしてお世話になったりしちゃったけどね。旅行から帰ってからも入院生活が続いた。でも、僕にとって最高の修学旅行になったっていうことは間違いない。自分一人の思いじゃとても修学旅行にいけなかったと思う。みんなの優しさが一つになって、僕は修学旅行に行けたんだって思う。あの頃のクラスメート、今頃、どこで何やってるのかなぁ。

 あの時のみんなの気持ち、忘れないよ(*^_^*)。

青井直信

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