法話の窓

030 時は金なり

「時は金なり」ということわざがあるように、私達人間、いや人間だけでなく全ての生き物にとって時間はとても大切なものです。なぜなら生き物には必ず寿命があり、限られた時間しか生きることができないからです。それは誰でもわかっていることなのですが、毎日の生活の中ではなかなか実感が湧いてきません。そして振り返ってみると、なんとなく一日を過ごしたり、気が付けば一日が終わっていたりと時間を無駄にしていることが結構あるのではないでしょうか。本当はとてももったいないことなのですが・・・。       

 この限られた私達の時間を心臓の鼓動の回数で表すと約20億回だと言われています。つまり心臓がドキン、ドキンと20億回動くと私達は寿命がくるそうなのです。この回数が多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだと思いますが、ただ一つ言えることは何をしていても、寝ていても起きていても、一生懸命何かをしていてもぼんやりとしていても、確実に心臓は一回一回動き、時間は過ぎていくということです。さあ私達はこの限られた時間をどう過ごしていけばいいのでしょうか。

 お釈迦様は「この世に人間として生まれてくることは奇跡的なありがたいことです。」と教えてくださっています。そんな生命のありがたさに気付き、限られた時間を無駄にすることなく生活していく、今自分のするべきことを精一杯がんばることこそが私達にとって本当の意味での「幸せな生活」なのではないでしょうか。せっかく人間として生まれることができたこの生命です。できるなら無駄にすることなく有意義に大切に生きて行きたいものです。さあ、あなたが今するべきことは何ですか?

今野慈耕

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