法話の窓

023 いのちを「いただきます」

今週はみんなが大好きなカレーライスのお話。

 みんなが好きな食べものの一つにカレーライスがあります。そこで、カレーライスを思い出してごらん。

 カレーライスの中には何が入っているかな?

 ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、それにお肉が入っているよね。

 そのお肉やお野菜は、お店にならぶ前はどうだったかな?どこでどうしていたのかな?

 お肉となる牛さんは、牧場で元気に走っていました。お野菜のジャガイモさんやニンジンさんは、畑のなかで大きく大きくなろうとしていました。

 じつは、お肉にもお野菜にもみんなと同じ「いのち」があって、牛さんもジャガイモさんも一生懸命に生きていました。まさか、カレーの中に入るとは思っていなかったはずです。私たちは、その「いのち」のおかげで、大好きなカレーを食べることができるのです。

 みんなが食事のまえに「いただきます」って言うよね。あれはお米やお肉やお野菜の「いのち」を「いただきます」っていうことなんだよ。ついうっかり言いわすれてしまうことがあるかもしれません。けれども、食べるまえにこころを落ち着かせて、食べものの「いのち」をしっかり見つめてみれば、食べものをいただくことができる感謝の気持ちがわいてくると思います。そんなときこそ、手を合わせて大きな声で「いただきます」って言ってください。

 人は食べなければ生きていけません。多くの「いのち」をいただいて生かされているのなら、今度は自分の「いのち」を他の人や他のために活かしてみよう。たとえば、お父さんやお母さんや家族の人、学校の先生や友だちに対して、やさしい笑顔で親切にしていくことも一つです。また、小さな虫さんや動物をいじめたり、花や木や植物をむやみにとったりするのではなく、動物や植物を大切にしていくように努力することでもよいでしょう。自分の中にいつもそなわっている、「やさしくしていこう!」という心で、自分から進んでまわりすべてを助けていきましょう。

 いのちがいっぱい入ったカレーライス。

 今日も大きな声で「いただきまーす」。言えたかな?

西川知孝

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