
お釈迦さまはお悟りを開かれたとき「そうか、山も川も草も木も、みな同じいのちをいただいていたんだ!」と感嘆の言葉を言われました。宇宙そのものが「いのち」なのだと体感されたのです。生あるものはすべて、この大いなる宇宙の「いのち」のあらわれなのですから、あなたもわたしも同じいのちなのです。
そして、人間はひとりきりでは生きられず、さまざまな恩恵をあずかっているお互いですから、少しでもそのお返しをしていくべきでしょう。他人に対する優しさや思いやりは、明るい社会づくりへの「其の本」です。
イエローハット社長の鍵山秀三郎さんは、その著書『ひとつ拾えばひとつだけきれいになる』の中で、習慣の大切さを説いておられます。
よい習慣を身につけている人は、行動にその人格が表れます。商売をしている人は、お店の雰囲気に表れます。物をつくっている人は、物づくりに表れます。
そこで『四弘誓願』という仏さまの四つの願いに基づいて、誰でも簡単にできる三つの項目を挙げますので、今から実行してみて下さい。
①正しいことば使いをしましょう。
ある女性から質問を受けました。「私が結婚できないのは、先祖供養が足らないからだと言われましたが本当でしょうか?」私はこのとき、ことば使いの大切さをお話ししました。「正しいことばを使えば、考えや行動も正しくなり、好感をもたれるようになりますよ。」正しいことば使いは、自分自身を正すと共に、相手もさわやかな気分になっていただけるものです。
②目の前のゴミを一つひろいましょう。
自分の家だけでなく公共の場でも、まず一つゴミ拾いをしましょう。公共のトイレ掃除ができれば、もうあなたはほとけさまです。まわりの人に気持ち良く使ってもらいたいという優しい心の芽ばえです。
③はきものをそろえましょう。
自分のはきものをそろえるという行為は、すべての正しい行為への其の本です。自分ばかりでなく、他人のはきものもそろえていただければ、あらゆる場面において優しい行動となって表われるでしょう。
わずか三項目のあたりまえだと思われる行為ばかりですが、習慣にして下されば自分はもちろん他人も幸せに導くことができます。「其の本を努めよ」の開山、無相大師さまのおことばは、私たちの幸福を願う大師の優しさです。
飯沼 宗秀