

こうした功徳を求めて写経をすることは、邪道だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、写経にせよ坐禅にせよ、元々は心の安らぎと共により良き人生を求めるからこそ行われるものであります。
多忙な現代社会を生きる私たちだからこそ、写経を通じて無心になり、心と身体をリフレッシュされてはいかがでしょうか。
写経とは、お釈迦様が説かれたみ教えを書写する事です。
紀元前一世紀頃、それまでは口伝によって伝えられていたみ教えですが、インドではじめて貝多羅葉(ばいたらよう)という木の葉に書写されました。
文字で書かれた経典は、その後各地に伝わります。二世紀頃からは漢訳も始まり、木版印刷が盛んになる十世紀中頃までの間、中国では多くの経典が漢訳され、写経されました。
『西遊記』(さいゆうき)のモデルとして有名になった玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)をはじめ、多くの方々の大変な苦労によって、現在私達が目にする経典が成立したのです。
写経の歴史は古く、日本には、天武天皇の674(白鳳2)年に「書生を集めて一切経を川原寺において写さしむ」と「日本書紀」に記されています。これがわが国最古の写経だといわれます。その後、我が国でも時代時代に写経が行われてきました。
妙心寺では、約300年前の寛文5年頃から12人の僧侶によって約8年の歳月を費やし、6,500余巻の一切経が書写され、現在「経蔵」に納められています。