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妙心寺屏風 ~特別展「妙心寺」より~ 於;東京国立博物館

妙心寺には、「妙心寺屏風」と通称される桃山時代の六双の屏風郡が伝来しています。ポスターや図録などの表紙を飾っている虎も「龍虎図屏風」(狩野山楽筆)の一部分です。

その六双とは「花卉図」「琴棋書画図」「寒山拾得・三酸図」(以上 海北友松筆)「龍虎図」「文王呂尚・商山四皓図」「厳子陵・虎渓三笑図」(以上 狩野山楽筆)であり、いずれも金地濃彩の華やかな屏風です。特徴はその高さで、実に標準サイズより約25cm弱大きく、一双並べれば7m50㎝を超えます。しかも、いずれも絵画としての充実度が高く、近代絵画史上、きわめて重要な作品郡です。以下、京都国立博物館学芸員 山下善也先生の図録解説(抜粋)をご紹介します。


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山楽の《龍虎図屏風》には、戦国武将たちの気分を反映した激しさが見事に表されている。とともに、咆哮する虎の姿は、禅の一喝にも通じる。友松の《花卉図屏風》の牡丹や、冬の寒さに耐える歳寒三友(さいかんさんゆう)=松竹梅のうちの梅竹は禅林にふさわしい題材であるが、同時に、牡丹咲き乱れる画面からみなぎる溌剌とした気分、白梅や白椿の枝ぶりがしめす激しさは、武将たちの気質にかなうものともいえよう。

桃山時代の絵画が求めたものとして、大きさ、強さ、華麗さがあり、それらは戦国武将たちの気分を反映するものであった。妙心寺屏風のもつ巨大さ、華麗さ、そして強さ、激しさは、まさにそれに合致する。海北友松筆三件、狩野山楽筆三件、これらの妙心寺屏風は、妙心寺の寺宝であるだけではなく、時代の発現というべき桃山芸術を語るうえで、欠くことのできない重要な作品郡なのである。

ちなみに山下先生は、妙心寺屏風の制作動機に、禅林と武家の結びつきが深く関っていると仮設を立てておられます。

以上の屏風のほかにも多くの障壁画が出品されており、旧天祥院障壁画「老梅図襖」(狩野山雪筆)は、なんとアメリカ・ミトロポリタン美術館からの里帰りです。

※ 東京国立博物館 特別展「妙心寺」3月1日(日)まで
※ 京都国立博物館 特別展覧会「妙心寺」3月24日(火)~5月10日(日)